花粉症のお薬をどう使い分ければよいか、症状別にご紹介していきます。
- 花粉症編ー①症状の解説
- 花粉症編ー②花粉症薬の概要
- 花粉症編ー③市販薬
- 花粉症編ー④病院でもらうお薬
花粉症にはどんなお薬がつかわれるの?
花粉症に使える飲み薬について解説していきます。
まず花粉症の治療に使われるお薬は、下の赤字に示した①②③の3パターンのお薬があります。
この中で、実際に花粉症の軽症~重症に対して幅広く使われる②のお薬は、「抗ヒスタミン薬」と呼ばれ、ドラッグストアなどでご自身で購入していただくことができます。②のお薬には、「アレグラ®」「クラリチン®」などのお薬が含まれます。
今回は、実際にお手に取る機会が多いと考えられる②のお薬(抗ヒスタミン薬)から順番にご説明していきます。
抗ヒスタミン薬
肥満細胞から放出されたヒスタミンは、知覚神経や血管にくっつきます(ヒスタミンが各ヒスタミン受容体に結合します)。ヒスタミンが知覚神経に作用した場合は、くしゃみや鼻水などの症状が現れ、血管に作用した場合は鼻の血管拡張による鼻づまりなどが現れます。
この、くしゃみや鼻づまりなどの症状を抑えるためのお薬として「抗ヒスタミン薬」があります。「抗ヒスタミン薬」は、知覚神経や血管のヒスタミンの結合部位をブロックするため、放出されたヒスタミンは知覚神経や血管にくっつけなくなります。この結果、ヒスタミンは知覚神経などに働きかけることができないため、くしゃみや鼻づまりは抑えられます。
しかし「抗ヒスタミン薬」にはやっかいな作用があります。それは「眠気(集中力の低下)」の副作用です。抗ヒスタミン薬による眠気は、薬剤が脳内に移行することで、脳の働きを一部妨げてしまうために起こります。この抗ヒスタミン薬による眠気は厄介で、「薬の服用中は車の運転を制限される」などのデメリットがあります。よって、眠気のデメリットを克服した、眠気の起こりにくい抗ヒスタミン薬、つまり脳内へ移行しにくい抗ヒスタミン薬が好まれる傾向にあります。
ステロイド・ケミカルメディエーター遊離抑制薬
肥満細胞からヒスタミンなどが放出される段階をブロックしてしまおう!というお薬です。ヒスタミンの放出を抑えるお薬のため、アレルギー反応を予防することができます。
ただし、このタイプの飲み薬はまだドラッグストアなどにてご自身でお買い求めはできず、医師からの処方で使えるお薬です。2022年4月現在では、ステロイド・ケミカルメディエーター遊離抑制薬のいずれも、花粉症に使える点眼薬があり、医師から処方してもらうことができます。
またステロイド配合点鼻薬は、ドラッグストアでもお買い求めいただけます。
血管収縮薬
花粉症に対しては、血管拡張によって生じる「鼻づまり」を抑える点鼻薬があります。血管収縮作用のある点鼻薬を使用することで、集中的に拡張した鼻の血管を収縮させるため「鼻づまり」が改善します。これらの点鼻薬はドラッグストアでもお買い求めいただけます。
まとめ
今回は花粉症に使われるお薬についてご説明していきました。
花粉症には、②の抗ヒスタミン薬がベースとして使用され、症状に応じて①③の外用薬(点鼻薬、めぐすり)などが追加されます。①③の外用薬(点鼻薬、めぐすり)は、鼻や目に集中的に作用するため、全身性の副作用が一般的に起こりにくいです。②の抗ヒスタミン薬は、飲み薬のため全身性の副作用として「眠気」が現れることがあるところが注意点です。
次からは、実際に日本で使用されている「抗ヒスタミン薬」について、お薬の概要と比較を行っていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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